卒婚の生活費

おつきあい

卒婚・かえるちゃんちの場合

かえるちゃんと夫が卒婚したのは今から20年以上前でかえるちゃんが30代半ばの頃でした
夫はかえるちゃんよりも10歳年上なので、彼は40代半ばでした。
その頃、夫の母が寝ていたベッドから転倒して、寝たきり生活を余儀なくされたので、夫はかえるちゃんと住んでいたアパートを出て、車で10分ほどの距離のところにある同じ市内の実家に住むことになりました。

かえるちゃんは別居とか思われるのがイヤで世間体を気にして「一緒に夫の実家に住もうか?」と申し出たんですけれど、夫のふたりの姉に「うちの母のことは私たちが看取るから、あなたは実家のご両親を見てあげてね」と言われました。
これがかえるちゃん夫婦の卒婚のきっかけでした。



実際は介護保険を利用してヘルパーさんに入ってもらうためには、かえるちゃんが実家にいたらお世話をする人がいると見なされ、介護保険を使えなくなる可能性があるため別居していて欲しいと言うことでした。

卒婚で生活費の負担はどうなる?

かえるちゃん夫婦は卒婚を機に生活費の負担はそれぞれ別会計となりました
理由はかえるちゃんも仕事をしていて収入があったので、夫にお金を出してもらう必要がなかったからです。
かえるちゃんの考えでは、男性が必ずしも家計の費用を負担しなくてもいいと思っています
女性の方が一般的に高収入を得るのは難しいですが、それでも夫婦はいつ死別するか離婚するか分からないので、男女の別なく生活費の負担はできるようにしておきたいと常日頃考えています。

特に沖縄は労働者の賃金が全国一安いので、男性だけの収入で家族が生活をして行くのは難しいです。
かえるちゃんは夫に経済力を期待していなかったのと、自営で仕事をしていたので、同世代のお勤め女性よりは入ってくる収入は大きかったことも生活費を別にすることに抵抗がなかった理由です。
お金がなければ水商売でもやって稼げば良いと思ってもいます(もっとも水商売もその頃のかえるちゃんの年齢では「厨房できますか?」みたいに言われちゃうので、そんなに良いバイトでもないんですけれど)。

卒婚 生活費の負担

ただ、口で言うのは簡単ですが実際に別居してみるとお金との戦いが始まりました
夫の母の介護費用は姉たちが負担してくれましたが、夫は介護メインの生活となるため、週に数時間のアルバイト収入がすべてです。
かえるちゃん夫婦には息子がひとりいて、中学生の時に卒婚をしたので息子はかえるちゃんとの同居でした。
姉ふたりが介護費用を負担してくれてもかえるちゃん家族の家計まで負担してくれるわけではなくて、息子を高校から先に進学させるためにはかえるちゃんがシンママ状態でがんばりました。
かえるちゃんは高校生の時東京のセツモードセミナーってデザイン学校に進学したかったんですけれど、両親はかえるちゃんを高卒で銀行員にさせて適当に職場結婚させるみたいな野望を抱いていたのでミスマッチが激しく、かえるちゃんは進学をあきらめた経験があるので、即就職には結びつかないとしても、息子が希望するところに進学させたいと思ったんです。
息子は声優科の専門学校に進学しましたが、進路指導で「エンタメ系は学費が高いよ」と脅かされていただけあって、まぁ結構かかりました。

けれどもマイホームを持ちたいとか、いい車に乗りたいとかそう言う欲望がかえるちゃん夫婦にはなかったので何とか家計のやりくりできたんだと思います。
あの息子の進学の前のお金が大変だったことも今となってはいい思い出です。

卒婚のゴール

介護生活と言うものはいつか終わりが来るもので、夫の母は13年間の寝たきり生活のあとで亡くなりました。
その時、かえるちゃん夫婦は再び同居をするか話し合ったんですけれど、同居は無理と言う結論になりました。
卒婚期間が10年以上と長くなり、夫は朝型生活でかえるちゃんは夜型の生活と言うライフスタイルの違いが同居を止め他大きな理由です
夫婦お互いが自分の好きなように暮らしているのでどうしてもそうなります。

そして食生活も変わりました
夫はグルテンフリー生活を始め、かえるちゃんはそこまでしないでも・・・と思っているので一緒に食事をするのも無理と判断しました。

親を看取り、子どもも独立して、夫婦の時間が戻って来たのは良いんですけれど、かえるちゃん夫婦はいっしょに生活をして新たなストレスを抱えるよりは、今のままで卒婚しておこうと言う話になりました。
別にいがみ合っているわけではないので、用事があれば会いますし、かえるちゃんのアパートのゴミ出しも呼べば夫がやってくれます。

次の卒婚を見直す転機は夫婦のどちらかが倒れた時と思っていたんですが、こちらはかえるちゃんの方が先に倒れてしまいました。

卒婚 パートナーが倒れた

かえるちゃんは現在、外出時は車いすを使用するようになっていて、いつも夫が押してくれています。
不自由な体でひとり暮らしをするのはかえるちゃんも不安なんですが、熱が出たら自分で救急車を呼んで入院したり自分のことはひとりでもなんとかできるように努力しています。

もちろん、入院しても夫が後から必要なものを持って来てくれますし、今の病院は「入院セット」があったりするので、わりばしからティッシュまで持参と言うわけでもなく、持ち込む荷物は少なくて済むので助かっています。
病気が不安だから卒婚を止めて同居したいと言うのはパートナーを介護要員としか見ていないことになり、そのためだけに不満があっても同居を続けなくても良いかなと思っています。

まとめ

今回は卒婚とそれにまつわるお金の話を、かえるちゃん夫婦の歩んで来た道を振り返りながらお話ししてみました。
卒婚をすると言うのは金銭面でも自立する必要があるので、人生設計の早い段階で夫婦双方が経済力を持つなど準備を整えた方が良いです
「男性だから、女性だから」と言う寄りかかりをやめて、夫婦それぞれが自立した関係を持つことができたら卒婚生活もなかなか良い暮らし方になることでしょう。

女性が経済力を持つことは必要だし、男性が家事スキルを高めることも同じくらい必要ですね。
たまに会ってお茶するくらいの距離感だとケンカのタネもなくなって、お互いの良いところも見えてくるので、卒婚もけっこう良い暮らし方です

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