【性暴力サバイバー】中居くんの引退について

おつきあい

中居くん引退、示談の意味

元SMAPの中居くん2025年1月23日に引退発表をしました。
かえるちゃんはトレンドブログを運営したいわけではないので、旧ジャニーズ事務所性加害の件があった時にも発言を控えましたが、中居くんの引退に関してのSNSで皆さんがおっしゃっている意見を拝見しましたが、見識を疑う意見が多すぎて、いちいち反応するのにも疲れたので、かえるちゃんの私見を今回は書きたいと思います。

前提として、かえるちゃんは8歳から18歳までの期間、親族による性虐待を受けていた経験があります。
被害については36歳の時に提訴の手続きをしましたが、加害者の申し出により示談をしています。
示談金も一括で受け取りました。

中居くん引退についてSNS(主にX、ヤフコメ)を見ていて、あまりにも素頓狂な投稿にはプロフィールを拝見してこの方のバックグラウンドも確認することにしていますが、多いのは松本人志応援の方、SMAPの長年のファンの方、中には自称弁護士志望の方もいらっしゃいました。
投稿で多く見られたのはこのようなものです。

・被害者は示談金を受け取っているんだから守秘義務があるのに中居くんを微明に利用している。
・示談金をもらっておいて被害を語るのはけしからん、示談金を返金しろ。
・性被害をバラされるなら示談には意味がない。

ここで誤解があるのは、示談は裁判を回避するためのものであって、口外禁止の特約はありません。
もしかしたら中居くんの件では口外禁止が条件として出された可能性がありますが、「示談金を返金しろ」「売名行為」と被害者を責めても、被害者本人の発言で被害内容と示談金が公表されたわけでもありません。
別にSNSユーザーが被害者の財布の心配までしなくてもいいわけで、意見を強要するのはおかしいです。



示談をしたことが性暴力を「なかったことにする」わけではなくて、被害感情は消えません。
示談金の金額についてはただのゲスの勘ぐりです。

性被害に遭った時の弁護士選び

弁護士志望の学生さんも「示談済み案件」として被害者を責める投稿をしていましたが、弁護士にもそれぞれ得意分野、専門性があります。
病院だって内科、整形外科、美容医療のように専門分野があります。
弁護士なら誰でも性暴力案件で闘えるわけではなくて、債務整理、離婚、交通事故のように得意分野があります。

かえるちゃんも最初に弁護士探しをした時に被害の内容を伝えると「そんなことはありえない!」
と全否定されて大激怒されたことがあります。
これはメチャクチャ心の傷口に塩を塗られました。
かえるちゃんが弁護士を探した時期は、まだ時効の捉え方が「被害を自認した時からの賠償期間」となっていてスムーズに弁護士を探すことができたんですけれど、この10年後に友人が性虐待案件で弁護士探しをした時は、10件以上の弁護士事務所に行ったんですが1箇所も引き受けてもらえませんでした。
冤罪リスクを避けるために、性虐待案件は引き受けないんだそうです。
友人の時は最終的に加害者と対面して僅かな数十万円程度の解決金を支払わせましたが、事情を理解した父親と一緒に司法書士事務所を回って、嫌がる司法書士に頭を下げて「書類作成だけでいいから」とお願いして書類を書いてもらいました。

性被害に強い弁護士を探すのはなかなか難しいんですが、かえるちゃんの時は万策尽きて県の女性センターの性暴力被害サポート窓口に相談をして弁護士を紹介してもらいました。
女性問題に特化した窓口が各県にあるはずなので、そこから次のステップに進まれるのが一番スムーズです。

医療と司法

提訴は被害のあった地域でできるので、かえるちゃんの場合は札幌の弁護士さんとつながることができました。
沖縄で弁護士探しをしても無駄でした。
今はネットがあるで情報探しは簡単になりました。
けれども裁判となると毎度、沖縄から札幌の移動になるので、これは自腹で、それも勘案して賠償金の算定をしました。
弁護士費用は法テラス利用を弁護士さんが申請してくれました。
結局、内容証明郵便からの示談となったので弁護士さんとの面談は一度で済みました。



弁護士探しの時期に不眠があったのでメンクリには通うようになりました。
性被害についてはメンクリで伝えていて、カウンセリングも受けられることになったんですが、カウンセリングを受けたことが被害感情を消すわけでもありませんでした。
むしろ現在の家族関係についてのアドバイスが多くて、過去についてはノータッチでした。
簡単に言うと性虐待被害者になってもらわないと寄り添ってはもらない印象です。

医療から司法につながれるわけではなくて、これは別々に自分で動かないといけません。
診察なりカウンセリングでアンガーマネジメントなどを学ぶとしたら有効かも知れませんが、被害感情に共感してもらえるケースは少ないと思うので、当事者の自助グループの方がよほど役に立つ感じでした。

性虐待 提訴

家族のサポートが得られればいいんですが、かえるちゃんは父方の親族からの被害だったので、父がやっぱり身内を庇ってかえるちゃんを責めたので、親っていうのは結局アテにはならないと思いました。
親がちゃんとしていたら共感もあったと思いますし、性虐待も察してもらえたんじゃないかと思っています。
かえるちゃんとしては発覚してもらいたいサインを親に送っていたつもりなんですけれど。

まとめ

今回は中居くんの引退案件からの私見を書いてみました。
性暴力は密室で起こる被害で、当事者が語る以上のことをSNSなどで軽々に推測したり、誹謗中傷をすることは良くないし、セカンドレイプにも相当するので、安易な書き込みは避けてもらいたいです。
ただ、示談をしたからと言って性加害の事実がチャラになることは断じてありません。
被害感情は強いし、ただ生命維持するだけでも大きな苦痛になります。

知識のない人が軽々に発言するのは超要りません。
性暴力の被害がなくなることを望みますが、被害を根絶できないとしても被害者に寄り添う社会のあり方を求めたいです。

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